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概 要

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中国東北部の農業の実態 

中国東北部は中国の食糧の10%を生産する重要な穀倉地帯。トウモロコシは昔からの貴重な食料となっています。飛行機から見ると一面トウモロコシ畑です。現在PM2.5などを含む煤煙で日照が不足し生産量が減少しているそうですが、比較的被害のないこの東北部も影響が出始めているそうです。主力はとうもろこし(圧倒的に多い)と米(大連から丹東に至る日本海側に多い)、この地域はまさに中国の穀倉地帯として国家的に力を入れています。

大連 アカシアの花 DSC00725

2015年初夏の大連はアカシアの花が満開でした。アカシアの花は白とばかり思っていましたが、なんと紫もあるのです。例年5月下旬に「アカシア祭り」があるのですが、今年は開始日が帰国日と重なりお祭り自体は見れませんでしたが、満開の花を見ることができました。中国 アカシアの花の蜂蜜

大連の知人はみつばち業者さんから搾りたての蜂蜜を買うことができました。なんで買うのかと思ったら純度100%、スーパーのは砂糖を入れている可能性があるのだそうです。信用してませんね。それと農家を回った時農薬や肥料の写真を撮影して後で見たらびっくり、実は腐植酸を肥料として使っていたのです。腐植酸が野菜栽培に良いというのは聞いていますが、その理由は解明されていません。しかし今回実際に使ってるのを見てなるほどと思いました。中国東北部は肥沃な土地と言われていますが、それでも何かしらかの栄養分は必要です。それに使われているのが腐植酸だったわけですね。

中国のいちご栽培でトウモロコシの活性炭を使う事例ができました。 中国の物はなんでも不安という概念が強いようですが、現地に行ってわかったことは農薬や肥料を使うほどの経済力がないのが実態です。有機栽培が日本でもてはやされていますが、中国の野菜は肥料も使わないから味も良くありません。形は確かにキュウリや桃ですが食べて美味しいという感じがあまりありません。 実際ハウスに入って農薬があるだろうと疑ってかかっても何もない。今回初めて腐植酸を見つけたくらいです。  中国のいちごのハウスです。北側は土壁です。北風対策と保温をかねています。 中国大連から丹東に向かった「花園口」という場所のいちご栽培 トウモロコシを焼いた活性炭、鉄分が多いので他の地域のものと特性が異なる トウモロコシの活性炭  
実はとうもろこしの活性炭の製造は中国、大連で行っています。その工場の人に聞いたのですが、最近腐植酸の輸出で5から6人逮捕されたというのです。後日知人の息子さんに調べてもらったら中国の最高裁判所で資源保護の為腐植酸は全面輸出禁止になっているのだそうです。肥料用のリンも同様で日本は必要な資源を確保できなくて困りますね。  トウモロコシの芯を焼いて作った活性炭です。中国の土は鉄分を多く含んでいるため、トウモロコシの茎や芯にも鉄分が含まれます。活性炭を作るには焼成温度が重要ですが、その際に鉄分があることで活性炭の吸着性能などに影響が出て来ます。この理由で中国のトウモロコシの必然性が出てくるのです。 活性炭は多孔質であり、いろいな物質を吸着させる能力にたけています。そのため土壌改良剤としても非常に有効です。国内に輸入してから希釈した木酢液を混ぜてペーハー値を調整して出荷しています最近ではカドミ米対策にこの活性炭を田んぼに入れることでカドミウムの吸収を抑える実験をしています。効果としては入れなかったときに比べてカドミの含有量が半分以下になった事例があります。  
中国 腐植酸 中国 稲作 田植え 中国 稲作 田植え
  中国東北部も稲作をしています、何しろ大連は日本でいうと仙台あたりと緯度が同じなのです。 結構な面積でしたので「田植え機械はないのか」と聞いたところ、面積が大きい人は持っているらしいが、自分は小さいので人手で十分ということだった。中国南部の上海方面はチベットから流れてくる水にカドミウムや ヒ素などが含まれ、この汚染がひどいと言われています。安全なコメの生産にも効果が期待できます。

中国人だって安全な食品を求めていることは間違いありません、そんなに心配してもすし屋やコンビニ弁当のガリは中国に依存しなければ価格的に合わない訳で、食べる時に捨てますか?

中国でも環境汚染の被害は出ています。

上海方面の田んぼではカドミウムだけでなく、ヒ素や水銀も多く、コメが汚染されているそうです。現地の人がトウモロコシの活性炭情報を見て打診してきましたが、なぜそんな有毒物質が田んぼに入ってくるのかと思ったら、チベットから水が流れてくる間にいろんな物質が一緒に流れてくるのだそうです。決して公害だけではないらしい。しかしカドミウムの吸収抑制にはトウモロコシの活性炭は効果があるが、ヒ素はイオンの関係で吸着できない。結局この話はなくなりました。 カドミ吸収抑制の実験事例 トウモロコシの活性炭を使って稲作でのカドミ吸収抑制の実験を2104年から3年連続で行っています。2014年のテスト時には前年のカドミウムの含有率を確認しておりませんでしたが、書類として残っていないそうですが、1.5ppmあったのだそうです。農家の方は半分以下になったということでしたが、国内基準にはまだまだほど遠い状態でした。そこで濃度を考慮して2015年は場所ごとに投入量を策定しました。

   カドミ米テスト 秋田県
リエゾンに選ばれたカドミ米実験プロジェクト 2014年の実験から2105年度の産学連携の事業を推進する「リエゾン岩手」の支援事業に採択されました。  赤の部分が前年より増加している。増えた要因は稲の根のはりが向上し、カドミウムの吸収が増えたと考えられます。2年の継続実験から用水路のある田んぼの上の部分の含有量が多いことから、農業用水に問題があるとみて実験しています。

測点平均では2014年の0.532ppmから0.438ppm(21%減少)にはなりましたが、国内基準値はクリアできていません。 カドミウムの含有量の国際基準は0.2ppm、国内基準は0.4ppmです。もし国際基準値を国内で採用すると一説には30万tの食べられないカドミ汚染米が出ることになるのだそうです。 2016年、農業用水に着目したカドミウム吸収抑制実験

カドミウムが田んぼの土にどれくらい入っているかのサンプル採取  実験圃場の土に含まれるカドミウムを深さ別に分析しました。当然下に行くほど含有量は多くなる。
 過去二回の実験で用水路がある左側の含有量が多かったことから、農業用水にカドミウムが含まれているならば、その農業用水のカドミを吸着させて稲の吸収を抑えるという仮説を立てて実験しました。 田んぼの土だけでなく用水路から入る水のカドミウムを除去する 取水口にトウモロコシの活性炭を設置したもの

カドミ吸収抑制の実験をした背景には稲作にトウモロコシの活性炭を使うことで茎が丈夫になれば台風などの強風被害が防げるという実験から始まりました。稲作でトウモロコシの活性炭を使った生育の比較この年は残念ながら台風が来ませんでしたが、翌年の福島の原発事故が発生したときにセシウムの吸着の比較を行ったところ入れなかったところより少なかったことがわかり、カドミウムの吸収も抑えられるという仮説から始まったものです。   カドミウム吸収抑制のもとになった岩手県花泉での実験、翌年福島県の原発事故が発生。

3.11の前の年に岩手県花泉でトウモロコシの活性炭を使った実験圃場 実験の圃場は1枚5aです 岩手県花泉での稲作実験収量比較のために田んぼごとに天日干しを実施 収量の比較をするため圃場ごとに天日干しをするという手間をかけています 岩手県花泉でのトウモロコシの活性炭を使った生育比較写真 予想通りトウモロコシの活性炭が入った場所は収量が23%以上増加した

根のはりが活性炭が入ったてるものと入らないもので違いが出ています。更に収量の比較においても23%から27%も増加するという結果になっています。

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活性炭のふるさと中国