トリコデルマ菌でベッコウタケ対策 ソメイヨシノでの事例
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ベッコウタケを剥ぎ取り、トリコエースA+酢希釈を刷毛で塗り水をスプレーします。(酢は、トリコデルマ菌が酸性を好むため)
6月12日 ベッコウタケがまた、うろから生えていたので剥ぎ取りますが、トリコデルマ菌の効果で若干剥ぎ取るのが楽になったそうです。ベッコウタケを剥がした後はトリコエースAを塗ります。
(写真左)トリコエースAの青かびが繁殖している様子が確認できるが、ベッコウタケもしぶとく生えてくる。(写真右)ベッコウタケにより白色腐朽した木くず。 治療を続けてはいるものの、ベッコウタケの勢いは凄まじく、対策としてさらに強力なトリコデルマ菌最強のVirens種を投入することにしました。 6月22日 ビレンズ水溶液を酢と共に1500倍を噴霧。しかし雨が降ったため、23日、24日にも噴霧。25日、ベッコウタケ中心がへこみ、表面が汗をかきます。表面も茶色っぽく変色し、剥がし易くなりました。 7月中も何度かトライしましたがベッコウタケの成長が恐ろしく速いため、トリコデルマの増殖が追い付かないのが問題です。高温が続くとトリコデルマ菌は死滅するので8月のトリコデルマ菌投入は見送る事にしました。 9月に入り東京の気温が下がったので治療を再開します。さらにトリコデルマ菌の増殖促進の為にトウモロコシの活性炭を投入する事にしました。 9月11日 治療を再開します。先ずは増殖したベッコウタケを削り取ります。ベッコウタケはこぶし分くらいあります。トリコデルマ菌ビレンズ水溶液+酢希釈を、ベッコウタケのあるうろに噴霧。さらにトウモロコシの活性炭もうろに入れ、ビレンズをトウモロコシの活性炭の上から噴霧します。 9月18日、ビレンズ水溶液+酢希釈を根方にかけます。 東京は頻繁な大雨でうろに水がたまり、根に良くない状態が続きます。 9月12~20日まで、天候の影響を避ける為、室内で発芽させた濃いビレンズ水溶液を天気を見て連日および2日おきくらいに塗り付けましたが、トリコデルマ菌の白い綿も青かびも見えない状態です。 9月25日 トウモロコシの活性炭とビレンズを投入してから約2週間、うろの活性炭を取り出してみます。 あれほどしつこく発生していたベッコウタケの姿が見えません。 しかしこの先もまた生えてくる可能性があるので、キノコの季節終了まで細かな治療は必要とのことですが、トリコデルマ菌によるベッコウタケの抑制効果が現われた結果と言えます。 後日撮影された様子。 ベッコウタケは発生していないとの事でした。 最後に、貴重な写真や詳細な情報の提供を頂いたお客様に、厚くお礼を申し上げます。ベッコウタケが発生した状態からの完治は難しい
ベッコウタケによる倒木被害はNHKのテレビでも放映されたのですが、木の芯の部分を侵食して内側が枯れてしまうのだそうです。そのため葉が生い茂る夏場に葉の重さを支え切れずに突然根元から倒壊するという事なのだそうです。街路樹の被害は樹の根元をアスファルトで覆う為、根に傷がつき、そこからベッコウタケの菌が侵入するというメカニズムのようです。 今回の事例では外部に露出しているキノコの部分は無くなってそれなりの効果はあったのですが、前述の様に樹の中の芯の部分が侵食されている可能性が高いのです。そのため完全復旧は難しいのではと考えられます。お客様からその後の写真や、散布作業の画像もいただきましたが、完全復旧には至っておりません。 対策としてはキノコが目に見える段階ではすでにかなり浸食が進んでいるそうなので、まだ被害がない樹木の防備に周囲にトリコデルマ菌を散布するのが今のところ考えられます。 ベッコウタケに関しては治療が非常に困難な為、ご期待に添えられない場合がございますので、過去の事例に関する報告とさせていただきます事をご了承ください。ー樹木の腐朽菌被害でお困りの方へー
お試しいただきたい資材があります、詳しくはこちらのページを御覧ください。