第09話 グループウェアとlinuxの関係
ソフト会社の経営観点からすると、サーバーライセンスやクライアント・ライセンス、更にはデータ・ベースのライセンスまでいろんな費用を払わなければならないので、本来の販売価格が抑えられてしまい収益の確保が難しくなります。
そんな中でサーバーOSがlinuxであれば安くなりますし、ついでにRDBMSも無償の製品を利用することで余分なコストを削減できるのは大変有り難いことです。問題はlinuxの習得ですね。だけどそれを乗り越えなければ未来はないとみんなが納得することで、全社的な取り組みが可能になりました。
新しいものへの挑戦がなければ企業も個人も進歩にならないし、差別化にもなりません。
linux上でどんなアプリケーションを開発するのかは当初決まっていませんでした。ただノーツで開発したグループウェアがありましたので、これをlinux上で動くようにすれば大人数の小売業さま向けには非常に売りやすいと考えました。
既にお客様から引き合いがあったのですが、これから開発するという段階でしたのでそうしたお客様には安い他社製のグループウェアを紹介するにしかありませんでした。
それから2年後くらいに開発を行い、現在に至っています。ノーツを意識していたのと、小売業様向けに特化した仕組みですから安いグループウェアとはコンセプトが全く違います。
導入されたお客様にもご満足を頂いておりますが、開発に際してはお客様が使いやすく感じるものにすること。そのためにはOSについてくるメールソフトよりも使いやすいものを作ること!という至上命令を出しました。ノーツを使ってきた私でも納得する仕組みでなければ価値がないのです。
特に意識したのは情報の発信者はその情報が価値があると思って発信しても、相手が見てくれなければ伝わらないのです。そのため発信した先の人が閲覧してくれたかのチェックが出来るようにしました。(ノーツのアプリケーションでも実現していました。)
これがお客様に評価されている機能でもあります。実際に7,000人参加のグループウェアの商談ではこの機能が注目されたのです。最終的には採用に至りませんでしたが、他の企業様での提案ではこれがポイントになったことは事実です。
もちろんこれ以外にもノーツ時代の弱点をカバーするいろいろな仕組みを取り入れています。
グループウェアの目的が何かがわかっていないから、ほとんどのユーザーは≪掲示板とメール、スケジュール管理≫で終わってしまっているのです。これでは本当の業務改善にはならないのです。
どんなシステムでもその≪目的と効果≫が明確でないものは価値がないし、最終的には使われなくなるのです。これが一番大事なことなのです。
弊社が開発をする時は常に自社のユーザー規模とニーズを考えています。 もちろん価格設定も開発費用に見合う形で行います。
計画以上に売れればその分は減価ゼロの収益につながるのです。