今だからこそのPOP講座
POPのコンサルタントの方々がいっぱいいらっしゃる中で、POP講座を今更と思われるかも知れませんが、機械でPOPを作るのが当たり前の時代だからこそもう一度原点に帰って見直す必要があるのではと思い、まとめて見ました。
POP作成での基本/POP講座
POP制作では基本的なレイアウトは用紙の中心に文字が配置されていることが望ましい。 これは見る人の視線を意識して瞬間的にその商品の特徴や価格を把握できることが購入の判断時間を少なく出来る効果があるのです。 魚屋さんや八百屋さんのPOPはとてもシンプル!
このPOPは産地名も価格も一発で判断出来ます。
POPで時々不安に思うことがあります。
それは販売期間が書かれているのですが、既に過去の日付けのものだった場合です。 消費者はこの価格は今日も有効なのか?と疑問を持つのは当然です。 その結果はどうなるかは皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか?
POPのソフトでは販売期間を表現できる機能を有しているのが一般的ですが、 現場の運用では消費者不信につながることもあります。
対策としては毎朝或いは閉店前にPOPの日付けのチェックを行い、場合によっては付け替えをするような運用が望まれます。 実際特売で余った場合には価格を特売のままで継続する事もあるわけです。 但しそれでも特売の用紙ではなく、お買得品というヘッダーの用紙に切り替える必要があります。
『来店客の84%が夕食の決定をしていない!』(1996/12「販売革新」の記事より)
説得力のある提案型のPOPが必要です。
そのためにも、情報系と販促部門連携が重要になります。
プライスカードとの違い/POP講座
プライスカードとPOPは同じものというイメージがありますが、これは大きな間違いです。 消費者にとって価格は購入の判断材料になりますから、いくらかという表示は必要です。 現在では消費税込みの価格表示が当たり前ですから問題ありませんが、POSのない時代は商品に値札を貼っていたわけです。 たまたま自分の欲しい商品に値札が付いていなかったら、いくらか分かりませんから購入に至らないこともあります。
最近はPOSが当たり前の時代なので今度は逆の問題が出てきました。 棚ラベルやプライスカードには価格が明記されていますが、商品の陳列が混み合っていると、 どの商品がいくらなのか?判別が付かないことが出てきたのです。 POSを通過して初めて価格が分かるのでは消費者は困ってしまいます。
どの商品がいくらなのかが明確なプライスカードの作成や現場での掲示が重要になっていると言えます。
一方でPOPに求められる機能というのは、他の商品と比べて何が違うかを説明する目的があります。 これが単なる価格だけの表示用のプライスカードとの決定的な違いなのです。 当然キャッチコピーは重要な要素となります。
キャッチコピーの威力/POP講座
以前あるスーパー様のPOPを拝見したことがありますが、キャッチコピーが憎い!
「地元産です。茎まで食べれます!」というキャッチコピー付きの手書きPOPが貼ってあったのです。
なんて素敵なPOPなんだろうと思いました。自分の商品に自信を持っていればこそのPOPは説得力が違います。
キャッチコピーをつけた場合と、そうでない場合で違いは出るのか?
これに対しては、実際にあるPOPの担当者が検証した事例があります。
キャッチコピーをつけた時とそうでない時での売上数量の比較を実際にやって見たそうです。 その結果、同じ商品でも付いていると売上数は伸びるということが判明したそうです。(たまたまPOP作成する部屋にストアコントローラーがあったので販売実績を即座に検証できたことがよかったわけですね。)それから彼女は極力POPにキャッチコピーをつけるようにしていました。
またPOPの達人ではキャッチコピーをジャンル別に分類して追加登録できる機能を持っています。
その為、時代時代にあったキャッチコピーが順次登録され、再利用されるという大きな特徴があります。
いくら優秀なPOPライターがいるといっても、その人が退社してしまったらキャッチコピーごとそのノウハウが失われてしまうのです。
実際にあったPOPですが、トレーサビリティとか非常に消費者も産地もどこで取れたものか、 誰が作ったものか、商品として信頼できるものか?ということには敏感な昨今ですが、
なんと次のようなPOPが店頭に貼ってあったのです。
これが結構な店舗数のPOPなのです!
誰がこんなスーパーで買うものか!と思うのではないでしょうか? 消費者はもっと怒らなくてはならないし、企業の経営者はしっかり教育しないといけないと思うのです。
経営者の方も何度か自分でPOPを作った経験はあるはずです。 (まさか自分の社員がこんなPOPを平気で作っているとは思わないでしょうね)
あるスーパーの社長さんが三陸の産直に寄ったらお客は三陸なのに海産物より野菜を買っている。それが不思議に思えたと言っていた。
それでいてPOPが丁寧に作られていることに着目。
よく見ているとお客はその説明文をじっくり読んで購入しているということに気がついたそうだ。
どんなに良い商品でも『何が良いのか、なぜ良いのか』ということが伝わらなければ消費者は買わない。
これが価格競争からの脱皮と利益確保となる。
当然さんまの売り場にはこだわりの塩を関連販売のために置きましょう!
同じ鮮度を強調するにも
≪新鮮、とれたてです≫では説得力がない。
同じ鮮度を強調するのでも
≪お刺身にもできますが、今夜はリッチに赤穂の塩で塩焼きはいかが≫となると≪お刺身にも≫はより鮮度を強調していることになる。
更に≪赤穂の塩で≫は特別な塩を使うだけの価値がありますよという付加価値をつけていることになる。
これなら普通150円のサンマが230円でも売れることになる。
【このページに関連する参考ページ】
何故ホスト連携なのか/POP講座
ホームセンター様での事例
DIY様では商品点数が非常に多く、かつ商品の入れ替え規格や売価などが頻繁に変わります。
その為店舗では最新の商品マスタを参照してPOPデータを作る必要がありました。
対応としてはPOPサーバーには基本的なマスタやレイアウト情報があり、同時に基幹システムの商品マスタをリアルタイムで参照して商品名を入手する仕組みになっています。
ドラッグチェーン様での事例
一つの商品が月間お買い得や日替わり、あるいはメーカーキャンペーンなど複数の企画が並行で実施されています。店舗では当日どの価格のものを印刷するかの判断が難しいという状況にあります。そこで日付を入力した段階で当日のPOSの売価をホストコンピュータから参照して一番安い価格をPOP用に適用する仕組みを採用しました。そのことでPOSの売価とPOPの売価が必ず一致するということが実現できています。
POPはなくならない
昨今電子棚札を導入する企業が増えてきています。
お店にとっては非常に便利な仕組みです。なにしろPOSの売価変更をすると自動的に棚の価格が変わるわけですから超省力化のシステムと言えます。 一見お店にとっては便利なものですが消費者にとってはどうなのでしょうか? 単純に価格だけが知りたいお客様はそれでよいと思いますが、何らかの事情でその商品の特徴なり他の商品との違いを知りたいという場合、そこにはキャッチコピーが必要になってきます。
極端な話カタログや商品についている大きな文字のセールスコピーは全く他社製品と代わり映えしない場合で、 本当に小さな文字で書かれているコメントが実は大きな差別化の性能だったりすることがあるわけです。 また新しい商品などの場合はなおさら詳しい商品説明が重要になります。 そういう意味ではやはり本来のPOPは必要と言えます。 こうした商品説明が大事であると考え、POPの達人では商品説明を支援するデータベース構造を提供しています。
POPの効果は大きいのですが、一般的にはある場合とない場合では約30%の売上の違いが出るといわれています。 そうした中でPOPが氾濫すると一体どの商品がいくらなのか分からなくなることがあります。 商品のフェイスが少ないとPOPの設置スペースの問題で適切な場所にPOPがつけれないという問題があります。 結果消費者はどの商品がいくらなのかの判断がつかず、購入を見合わせるということになります。
こうした現場の問題点を解決する為には、POPを付ける現場の人がPOPのサイズを決められるような仕組みが必要になります。 最近では全店配備が当たり前になっていますが、以前は本部で3種類の大きさの異なるPOPを作成して店舗に送っていました。 現場では自店の商品のフェイスに併せてその中から選択して現場に設置することになります。 当然使われないPOP用紙が発生することになります。
不要になったPOPには悲しい運命が待っています。 省資源とか環境にやさしいとか企業イメージアップのコマーシャルをしている割にこんな矛盾をしている企業がないとはいえませんね。
★…対策は…★
- タイムサービスなどに対応が出来る。
これは全店導入のお客様の共通の効果です。 - 各店により扱う商品が違う場合、独自に作成できることが評価されている。
- 特売後の売価変更POPが現場の在庫状況に応じて作成できる。
- 統一特売であってもお店の規模などでPOPのサイズを変えて出力できる。
本部で複数サイズで全店に配布する方式に比べ、無駄なコストを削減できるメリットが大きいといわれております。 - 月間お買得品の様に品目数が多くかつ、ぎりぎりまで品目や売価が確定しない場合に現場で出力できるのがよい