第02話 たかだかPOPのソフトと言うかも知れないが
よくスーパーに行くと品名と価格を書いたプライスカード(いわゆるPOP)がついています。このPOPというものはいつ頃からあるのだろうかと思います。私が思うに結構昔からあったのではと思います。なぜなら値段がわからなければ価値が正しいかの判断が出来ない。仮に値札がなくても相場というものがありますから「これいくら?」と聞いて自分の考えている相場なり価値観と比べて購入するかを決めるだろう。おすし屋さんに行って『時価』という値札を見ると『だったら値札じゃないだろう』と思う。相場は変動するのが当たり前だが、変動の少ないのり巻きなどの価格を書いておけばそれから大体の予想をお客はつけるだろう。価格がはっきりしている回転すしがなぜ繁盛するかはその典型なのです。
さて本題に入りましょう。なぜPOPが必要なのかはお判りいただいたと思いますが、POPのソフトの開発と販売に注力したかということですが、当時デザイン系のソフトを知って販売していました。広告デザイン用のソフトのはしりの時代です。この時プロのデザイナーに指摘されたのがアウトラインフォントという言葉です。今なら当たり前の時代ですが、当時のコンピュータというのは文字の印刷や表示に点(ドット)の集まりで表現していました。文字を拡大すると当然粗くなり、汚く見えるわけです。これをスムーズに出したいといわれてもそんなことが出来るんだろうかと思うわけです。正に未知との遭遇だ、『出きっこない』と思うのは既成概念だからですね。
そんな時に新聞を見ていたら小さな記事として『アウトラインフォントで印刷できるPOPソフト』というのを見つけました。『これだ!』と思いましたね、早速開発会社に電話し訪問しました。その時ははまだ開発途上でプログラムもしょっちゅうダウンする。事務系のソフトと違って難しいんだろうなと思いました。それも改善されて販売を始めたのですが、自分が思っているほど売れない!
小さな記事でも人によっては大変な価値があるということです。