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大連市の隣の瓦房店市はトウモロコシの活性炭工場があります
岩手大学の工学部と岩手県環境保健研究センターの研究者が共同でトウモロコシの芯を原料にして活性炭を作ることに成功しました。(製法特許取得済み)
この製品をどうやって販売するかということからカタログつくりに協力し、自分の畑でも使ってみました。土壌改良が主たる目的でしたが、農家の使用事例を検証しているうちに保水力や肥料流れが少なくなるという効果が検証でき、広く農業に貢献できるということで積極的に販売することになりました。日本では回収できないトウモロコシの芯は中国では十分に確保できる上に、土に含まれる鉄分が多く含まれるため活性炭として農業用に最適なことが決定的な要素となっています。
形状は普通の炭を細かくした感じですが、被表面に多くの孔がありこれが工業用の活性炭に比べかなり近いという特徴があります。詳しくは「野菜通信」のサイトをご覧ください。
実際に育苗で使った事例があります、よく比較されるのがもみ殻の燻炭です。写真左がもみ殻の燻炭を入れた育苗ポットの状態、右がトウモロコシの活性炭を使っています。苗の生育が大きく違うことがわかります。このことは実際の畑でも同様の効果がありますが、それ以上に吸着能力が高いため、露地栽培で追肥した肥料が雨で流れるのを抑えられることです。結果として追肥の回数が減り、労力と肥料代のコストが減少するということになるのです。
投入の目安は一坪に一リットルです。コスト的には100円/坪。
製品の性能が良いから売れるとは限らないのがどこの世界でも同じです。そのうえ農家は肥料代、農薬代など様々なコストがかかるためよほどのことがない限りこうした資材に投資するのをためらう傾向があります。特に北東北以北は通年栽培ができないから余計コストを気にする傾向が強いですね。
一度いいと判断した農家は継続して購入してもらえますが、それでもJAやほかの資材販売会社からいろんな資材を提案されるので大変です。そのうえ高齢化で野菜やコメ作りを止めてしまう農家がどんどん増えています。今やレタスも大規模な工場生産をする時代ですから弱小農家の野菜によほどの特徴がなければ勝てなくなるかもしれませんね。
実際トウモロコシの活性炭の売り上げも農家の高齢化に伴い減少しています。そのため環境改善事業のテコ入れに中国で安く生産出来て、日本で受け入れられる商品を探していますが、その一つにやはりもみ殻や稲わらを粉砕して圧縮して作った育苗ポットや、物流用のパレット。そして今回はボイラー用の燃料のベレット製造工場を視察してきました。すでに日本も輸出しているそうですが、主力はやはり中国国内の火力発電所や地域ごとの集中暖房用のスチーム用のボイラー用だそうです。
日本でも熱を作り出す工場は自力で発電する仕組みが求められているようで需要が見込めるのではと考えています。下が吉林省の梅河口の工場で作っているもみ殻を使ったペレットです。家庭用のストーブにはサイズ的に合いませんが工業用のボイラーには問題がありません。運賃の関係で個々の瓦房店で製造すれば日本国内の木材を原料にしたペレットの半額程度で供給可能です。キロ当たりのカロリーも同じかちょっと高いくらいでする。
中国は災害対策をするくらいなら立ち退きを選択するらしい
2017年6月、活性炭の委託生産工場がダムの拡張工事で移転を余儀なくされ、移転に伴う打ち合わせに行ってきました。期待していた大連空港と大連北駅の地下鉄はまだつながていませんでした。 大連に限らず中国東北部は降雨量が少ないです。そんな折工場がある上流のダムから大連に水を供給することになり、下流の農家38戸と活性炭の生産委託工場など企業も数軒立ち退きの対象になりました。中国の土地は政府(共産党)のもの、土地はすべて70年のレンタルだそうです。だからいとも簡単に立ち退きさせられる可能性がある。日本では絶対考えられませんね。
しかし今回行ってみて本当の理由は洪水が発生するので、堤防を作るくらいなら地域の家や工場を別の場所に移転させる方がコスト的に安いと判断したのではと思ってしまいました・
当初はダムの水を大連に供給する関係でと聞いていたが、反対側の上流からの洪水が問題だったようです。
2018年11月、移転補償が遅れて活性炭の生産ができなくなったので新しい設備を作るということでその費用のこともあり、工場に行ってきました。
とうもろこしの活性炭だけではビジネスにならないため、稲わらを原料にして縄の生産もしていますが、今回は落ち葉を集めて腐葉土の原料を作っていました。何事にも積極的な社長さんの上、何か一生懸命なのでいろいろな仕事に巡り合うようです。縁は大事なことですね。
三輪車のトラックが現役で働いています。
めいっぱい積んできていましたが、重量は軽いから問題なし。今回から吉林省のとうもろこしを原料にすることにしました。理由は瓦房店市周辺のものよりちっよと硬いため、粉になりにくいので歩留まりが向上するためです。為替レートの関係と現地の原料代が上昇しコスト削減が必要になっていましたから助かります。
吉林省のとうもろこしの原料、右は粉砕した腐葉土の原料の袋詰めとトウモロコシの原料のストックヤードです。昔は日本に腐葉土を輸出していたそうですが、現在は資源保護の関係で輸出が禁止されています。以前「腐植酸」を輸出しようとして輸出業者などが逮捕されたことがあるそうです。輸出禁止の判決が出た背景はやはり資源保護なのだそうです。
今年は特に降水量が少なく、トウモロコシの生育が良くないのだそうです。草取りも人海戦術です。除草剤を買う金がない!リンゴの袋掛けをしていたので珍しいと思って撮影しました。中国は栽培に手間をかけないらしいが、さすがに袋掛けはするらしい。 今回はもう一度朝市を見たかったこともあり、前回宿泊した温泉町に宿泊。期待した朝市は前回より人が少なかったです。例の肉をさばいていた姉妹がいるかと期待しましたが、残念ながら見つかりませんでした。その代りに面白いものを見ることができました。
アヒルやガチョウなどのヒナを売っていました。当然買った人は大きく育てて食用にするはず?
行く度に出される田舎料理、この鶏の料理がおいしいです。骨付きで煮ています。
今回は腰痛で困っていました、右の写真のショウガみたいな根は腰痛に良いのだそうです。どうやるのかと聞いたらお酒に漬けて飲むのだそうです。丹東で飲んだお酒にもいろんな漢方薬が入っていました。別に朝鮮人参だけではなく中国は漢方がたくさん。中でも冬虫夏草は有名ですが行く度に値上がりし、現在はグラム単価はついに金より高くなっています。本当に効くんだろうかと念のため現地の人に聞いたら「効きませんよ!」とあっさり、うーんでも奮発して今回は大連で買いました。30本入って6万5千円くらい、1本2000円本当に効くかと考えますね。2018年段階ではグラム単価は金の3倍です。下は数年前に買った冬虫夏草、これで15万円くらいだった気がします。価格が高くても買う人がいるから上がるんでしょうが、一体どんな人が買うんだろうかと。
2015年今までは車か在来線の特急で行くしかなかった町ですが、今回から高速の新幹線が使えるようになりました。冬の季節は時速200キロ弱なので40分強ですが、5月は夏ダイヤなので25分くらいで行けます。料金は普通車で47元900円くらいです。往復を普通車と一等車に乗ってみましたが、時間が短いので一等車の価値はありません。但し308系の一等車は飲み物のサービス付きです。
駅は大連駅と同様従来の駅とは全く別になります。 今回は昔に撮影したように露店市を見たかったのですが、市は朝5時から始まっているそうで、昼近くになった関係で終わり近く、人も商品も少なくて面白みに欠けました。
すごかったのはアカシアの花が紫色もあるということでした。土曜日に旅順を回り、日曜が市のある日ということで瓦房店に行ったのでアカシアの花の色は聞いていましたが、同じ場所で二種類咲いていたのは圧巻でしたね。 ついでに蜂蜜業者がいたので、現地の人が寄ってはちみつを買うことになりました。一度味見してから価格交渉していましたが、「大連のスパーにもあるじゃないか」と言ったら、「店で売っているのは砂糖を混ぜている可能性がある」という。完全に信用してませんね。だから肉も解体したものをその場で買うという消費行動になるようなのです。
蜂蜜を買いました | 置いてある石に注目、積載オーバーで捕まり降ろされたままになっているものです。中国も腐敗撲滅は汚職だけではなく、しっかり交通取り締まりもやっています。クリックすると画像が拡大されミツバチが飛んでいるのがわかりますよ! |
純度100%の蜂蜜が買えたのはラッキーでした。
中国の農業事情 日本とは違ってハウスの構造が面白いし、理に適っています。
瓦房店市はトウモロコシの活性炭の製造工場があります。大連から北東に車で2時間強走ります。電車もありますが駅から工場までがまた遠い。結局、車が便利ということになります。大連は始発なので簡単ですが、途中の駅から切符を買うのは大変です。日本の感覚で切符は買えない。
大都市と違い、農業が主体です。中国は国策で農業に力を入れて食糧の増産を図ってきました。問題は降水量が少ないことです。木も少なく砂漠化が避けられない。そのため井戸を掘って野菜栽培に利用しています。北京などに比べれば水は豊富な方です。それでも水道水をそのまま飲むことはリスクが大きい。ホテルには必ずミネラルウオーターが置いてありますが、これも安全性の問題が出て事件に発展。(中国の水に関するニュース記事は結構あります。)